【表敬訪問】高知県中土佐町「海に沈んだ鬼」が完成
高知県中土佐町が舞台の海ノ民話アニメーション「海に沈んだ鬼」が完成し、一般社団法人日本昔ばなし協会 代表理事・「海ノ民話のまちプロジェクト」アニメ監督の沼田心之介が池田洋光町長を表敬訪問し、アニメーションが披露されました。
(日時)
2024年1月29日(月)13時~
(会場)
中土佐町役場 4階委員会室
当日は、「海ノ民話のまち」認定証・完成アニメDVD贈呈、海ノ民話アニメーション上映、今後の上映会・フィールドワークなどについてのフリートークが行われ、地域における活用に期待が高まりました。
高知県中土佐町の海ノ民話アニメーション「海に沈んだ鬼」はこんなお話▼
昔、豊かな漁場がある久礼(くれ)の浜(はま)の山のほうに、おだやかな赤鬼(あかおに)の親子が住んでいた。浜の村人は、鬼の親子にカツオをおそなえし、仲よくくらしていた。ある年、海があれる日が続き、漁に出ても思うようにカツオがとれず、波で船がしずむこともあった。村人たちの深い苦しみやなげきを知り、鬼は村人たちのためにと、金棒(かなぼう)の両側に二つの大岩をさして持ち上げ、大波を止める決意をした。子鬼は浜に残ることを聞き入れず、親鬼は子鬼を岩にのせてあれくるう海に入り、ふんばりながら海の中を進んで2つの岩をしずめ……
<池田洋光町長のコメント>
この双名島には連綿と私たちの中土佐町に語り継がれてきた物語が多くあります。
しかし、こういったアニメーションで描かれたのは初めてということで、本当に胸が熱くなりました。というのは、この度の能登半島地震のこともありましたし、国内で大きな地震や自然災害があったりと、日本は災害列島のようになっていますが、中土佐町では、漁師たちが海を生業に生きています。自然を相手に生きる過酷さと人々の絆がこの度のアニメに凝縮されておりましたので、本当に心の底から感動しました。ありがとうございます。
古くからあるもの、そして培われてきた伝統文化はどこにもあると思うのですが、我が町は人口減少で非常に厳しい状況にはございます。けれども、今回のアニメを見て、改めて、人の繋がり、絆、そういった人間の本心大事なところをしっかりと表現していただいてるなという思いがいたします。
やはり、どんなに人口が減っても、我々の地域が消えるわけではありません。連綿とこれまで先輩方が築いてこられたこの町を、これからも、自信と誇りを持って、しっかりと守っていきたいという思いが強くなりました。そして、願わくは、発展させていきたいと、意を新たにしたところでございます。
アニメは、日本の宝でありますし、高知県は、まんが甲子園というイベントもやっています。日本が世界に誇る大きな文化だと思いますので、このアニメを通じて、本当にちいさなお子様からお年寄りまで、みんなが共感できる、楽しめる。そういう素晴らしい作品ができたなと大変感動いたしました。