山口県田布施町で「ゆき姫物語」のフィールドワークを実施

一般社団法人日本昔ばなし協会は2025年3月10日(月)、香川県さぬき市に伝わる民話を題材にした海ノ民話アニメーション「ゆき姫物語」のフィールドワークを山口県田布施町の馬島・刎島(はねしま)で実施しました。
山口県田布施町の海ノ民話アニメーション「ゆき姫物語」はこんなお話▼
ある夜、渡し守の久左衛門(きゅうざえもん)の寝間に突然現れた娘・ゆきが不思議なことを語りはじめました。自身が今、刎島沖の海の底にいるというのです。そしてゆき姫は久左衛門に三つのお願いをしました。一つ目はゆき姫の遺髪と櫛を父親に渡してほしい、二つ目は遺髪を許嫁に、三つ目の願いはお墓を刎島の頂きに建ててほしいというものでした。哀れに思った久左衛門は、翌朝、ゆき姫がいるという刎島沖へ船を出し、網を入れると…
今回のフィールドワークには小学6年生23名が参加しました。子どもたちが船で向かったのは、田布施町麻里府港から南へ約1キロメートルの瀬戸内海上に位置する離島・馬島。物語の登場人物、久左衛門が船の渡し守をしていた島です。島に上陸して、田布施地方史研究会の林芙美夫会長から馬島の歴史について話を聞きました。物語の時代(室町時代)、この島の人々は漁業を中心に生計を立て、久左衛門が朝鮮貿易で成功してからこの地が栄えていったこと、それと同時に船の事故も多かったことを学びました。

続いて、もう一つの物語の舞台、刎島に歩いて向かいました。刎島は潮が引くと陸続きになる無人島です。この日は潮のタイミングが良く、刎島に渡ることができました。刎島では、林会長から刎島の歴史を学んだほか、田布施町紙芝居の会の平井洋子会長から「ゆき姫物語」以外の田布施町に伝わる民話について聞きました。平井会長は、田布施町の紙芝居は「ゆき姫物語」を含め全部で36作品あり、先人たちの思いや教訓、言い伝えなどを語り継ぎ、次世代につなげていきたい思いで紙芝居を上演していることを伝え、子どもたちはアニメを通して田布施町の歴史を学び、民話を語り継ぐことの大切さを知るきっかけになりました。
