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香川県さぬき市で「猿タカ合戦物語」のフィールドワークを実施

活用イベント
2025年2月4日

一般社団法人日本昔ばなし協会は2025年2月2日(日)、香川県さぬき市に伝わる民話を題材にした海ノ民話アニメーション「猿タカ合戦物語」の上映会とフィールドワークをさぬき市立津田小学校で実施しました。

「猿タカ合戦物語」は、食べ物を巡る猿とタカの争いの物語。香川県津田の北山曽根の沖には、猿が住む「猿子島」、タカが住んでいる「鷹島」という二つの島がありました。鷹島に住むタカは気が荒く、その凶暴さゆえに鷹島の磯には魚が寄り付かず、食べるものがなくなったことから、タカは猿子島を標的に猿たちを襲い始めました。猿たちも懸命に戦いましたが、タカには敵わず島の食べ物は食べ尽くされ、猿もタカも島から出て行ってしまったというお話です。

上映会にはさぬき市立津田小学校の全児童と保護者、あわせて約200名が参加しました。上映が始まると、参加者は前方スクリーンに映るアニメーションを熱心に視聴。愛着のある津田の松原海岸の美しい風景や島々の画に釘付けになり、最後までじっくりと鑑賞していました。

上映後、津田町の歴史に詳しいさぬき市文化財保護協会津田支部の渡邉寛支部長から、アニメ作品の中で美しく描かれた津田の海や海岸の今昔について聞きました。

昭和南海地震では70cmも地盤沈下が起こり、海岸に面した地域は大きな被害を受けたことや、地域の皆さんが安心して暮らせるように護岸工事が完成するまで52年かかったことから、一度壊れてしまった自然を取り戻すのは容易ではないことをお話いただき、子どもたちは真剣に考えさせられたようでした。

続いて児童によるアフレコ声優体験を実施。言葉を話さない猿やタカの気持ちを子どもたちで考え、声で表現するようにチャレンジしました。参加した子どもたちはアニメに合わせることに苦戦しながらも、口伝えによって伝わってきた民話を体験することができました。

最後に、さぬき市立津田小学校の亀井健男校長から「この民話を見ることで、自分で調べて考えて学ぶという気持ちを持って欲しい。今回は猿とタカの物語だったが、もしこの中に人間がいたら?もっと大きな動物がいたら?など想像を広げて考えてみて欲しい。もっと見たり聞いたりして学びを広げてください」とお言葉がありました。

参加者からは「自分が住んでいる津田町にこのような民話があることを知らなくて、アニメになって内容も分かりやすかった」「一度壊れてしまった自然を戻すことは難しいので、壊れないように自分でできることを考えたい」といった声が寄せられました。

海ノ民話アニメーション「猿タカ合戦物語」

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