日本財団海と日本海のまちプロジェクト

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【公開シンポジウム】日本財団 海野光行常務理事の発言要旨

活用イベント
2024年3月29日

一般社団法人日本昔ばなし協会は、2024年3月25日(月)、公開シンポジウム「『海ノ民話』から学ぶもの~作家・芸人・学者の視点から~」を開催しました。小説家の永井紗耶子さん、お笑いコンビ「Aマッソ」の加納さん、日本昔話学会委員の久保華誉さん、日本財団の海野光行常務理事が登壇し、日本中に残された海にまつわる昔話や伝説などの「海ノ民話」について、その文化的価値や活用法を語り合いました。

海野光行常務理事のお話を紹介します。

■公益財団法人日本財団 海洋事業部 海野光行常務理事

「(海ノ民話の活用について)対象を大人にして、海ノ民話ライブを夜の水族館で開催してはいかがでしょうか。加納さんに“海コント”も披露いただきたいですね(笑)今までと違う層に広げたいと思います。もう一つは、AIを活用した創作です。(会場スクリーンで、AIで試作した海ノ民話アニメーションを上映して)永井さんから『話のベースはいけてる』と評価をいただけましたが、久保さんからは『語り口調に難がある』、加納さんには『ツッコミどころがなくかわいげがない。魅力に欠ける』とご指摘いただきました。今は沼田アニメ監督に軍配があがりますね。AIは発展途上ですので、将来的に何らか活用したいと考えています。お話を伺いながら、海ノ民話のテーマソングがないことにも気がつきました。いろんな可能性があります。できることから試していきます。」と今後の民話制作について話しました。

「海ノ民話のまちプロジェクトでは、民話が完成した地域でワークショップを行います。長野県塩尻市では、高校生に民話の活用について議論いただき、ユニークなアイディアがたくさん出ました。私たちは若者を教育・啓発する対象として見がちですが、そうではなく、若者を協働パートナー、社会を変える同志として一緒に取り組むことが重要だと考えています。ユネスコには世界的に貴重な記録に対する認識を高めることを目的に、「世界遺産」や「無形文化遺産」とは別に「世界の記憶」というプログラムがあるそうです。「海ノ民話」を「世界の記憶」に提案するといったことも検討してもよいかと思いました。それによって「海ノ民話アニメーション」を「ジャパンアニメ」という世界的に認められるカルチャーとして打ち出すとともに、同じような民話を持つ世界の他地域との交流も促進できるかもしれません。」と社会を巻き込んだ取り組みや世界的な活動も視野に入れて話しました。

公開シンポジウム「『海ノ民話』から学ぶもの~作家・芸人・学者の視点から~」のイベントレポートは、こちらからご覧いただけます。

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