富山県高岡市で「与茂九郎池」の上映会・特別授業を実施

一般社団法人日本昔ばなし協会は2025年2月19日(水)、富山県高岡市に伝わる民話を題材にした海ノ民話アニメーション「与茂九郎池」の上映会を高岡市立太田小学校で実施しました。
富山県高岡市の海ノ民話アニメーション「与茂九郎池」はこんなお話▼
雨晴海岸(あまはらしかいがん)にほど近い太田村には、昔から四つのため池があり、その中で最も大きいものは、与茂九郎池(よもくろいけ)と呼ばれていました。水場の少ない太田村では、ため池が村人にとってかけがえのない水源でした。日照りが続き米が実らない年には、はるばる信州の戸隠大明神の池まで馬に水がめをのせて水を貰いに行き、雨乞いをして雨を降らせてもらうことでようやく米作りができます。村人たちは池のほとりに祠を建てて、美しい弁天様を祀っていましたが、あるとき、この村に住むおかみさんがふと池の水面を見ると……
上映会には、高岡市立太田小学校に通う児童66名が参加しました。太田小学校には「太田の歴史伝承プロジェクト」ととして、太田雨晴観光協会が地域の歴史・文化について学習する機会を設け、演劇や講座を行っています。また、池を見学するなど古里の文化に親しんでいて、3年生~6年生は授業の中で「与茂九郎池」を一度は訪れたことがあるものの、さらに学びを深めるきっかけづくりとして上映会を実施しました。こども達は、可愛らしいタッチのアニメ-ションに見入っており、竜の登場シーンには引き込まれた表情をする児童もいました。

上映会の後は、太田雨晴観光協会によるクイズを交えた授業を行いました。今回最も伝えたいポイントの、太田地区は高岡の海を代表する場所なのに水に弱い土地であり、古くから水のありがたみを感じている場所ということを、こども達は感じ取ってくれたようです。
上映会のほかに、2年生むけにフィールドワークを予定しておりましたが、この日は悪天候だったため、外でのフィールドワークは中止し、質疑応答型の授業を行いました。小学3年次に「ふるさと学習」で与茂九郎池に行く授業があるため、2年生はその前に知識をつける機会になりました。児童からは「ため池にはどんな魚がいるのか」「池の水はなくならないのか」など活発な意見が飛び交い、自然への興味関心を深めていました。

参加者の声
(6年生)
・水を求めに信州まで行くのは、当時、水がとても大切であるかが分かった。
・太田の伝説を広めるためにいろんな人に話したい。
(5年生)
・水がなかったら畑や田が干からびたり、環境がひどくなることが分かった。また、魚など海に住む生き物まで影響を受けることが分かった。
・去年のふるさと学習の学びをより深めることが出来た。
・水の大切さを家族に伝え、自分でももう少し調べたくなった。
(4年生)
・池のまわりの距離が太田小学校から雨晴トンネルまでの距離があると思っていなくてびっくりした。
・与茂九郎池だけではなく、太田地区の他の名所も大切にしたいと思った。
(3年生)
・太田の人たちにとって水が大事であることが分かった。これからも大切にしたい。
(2年生)
・最初は与茂九郎池に水がなかったことを知らなかった。本当に竜がいるのか見てみたい。
(1年生)
・与茂九郎池の深さが熊10頭くらいと分かってすごく深いと思った。