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徳島県美波町で「燃えていたお大師さん」の上映会を実施

活用イベント
2025年1月30日

一般社団法人日本昔ばなし協会は2025年1月25日(土)、徳島県美波町に伝わる民話を題材にした海ノ民話アニメーション「燃えていたお大師さん」の上映会とワークショップを美波町立由岐小学校で実施しました。

「燃えていたお大師さん」は、嵐に巻き込まれて波にさらわれた漁師が、弘法大師の石像が自らを燃やした火を頼りに泳ぎ、無事に岸にたどり着いたというお話です。

上映会には由岐小学校全児童と地域住民あわせて約100名が参加して民話アニメを鑑賞しました。上映前に「燃えていたお大師さん」の民話を知っているか参加者に聞いてみたところ、ほとんど知られていませんでした。上映とあわせて、由岐公民館の幸木さんから民話が掲載されている町史や物語の舞台となった場所について紹介していただき、地域に残る民話を身近に感じ、語り継いでもらうための上映会となりました。

続いて、徳島県立博物館学芸員の磯本さんのお話を聞きました。民話アニメに登場する「海を生きる知恵」について、昔は空、海、風、雲といった自然の様子から天気を予測していたことや、海では周りの風景から自分の場所を知るため岸が見えないと怖いということなどをクイズ形式で学びました。そして、美波町にある銅像の人物が、美波町由岐から九州に移り住んで東シナ海で漁業を行った代表者の1人だという話や、美波町の隣町の海陽町や阿南市伊島にある観音様の絵馬が「燃えていたお大師さん」と共通点があることも教えていただきました。最後に、民話は人が経験して得た知恵や、その時代の技・考え方を教えてくれるとまとめていただき、子どもたちは、身近な存在の海の知恵について真剣な眼差しで聞き入っていました。

海ノ民話アニメーション「燃えていたお大師さん」

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