日本財団海と日本海のまちプロジェクト

今こそ伝えたい海の民話アニメーション

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胸を打つサルの親子愛…。愛媛県南宇和郡愛南町に伝わる民話「大猿島と小猿島」をアニメ化!

地域の話題
2022年10月25日

2018年よりはじまった「海ノ民話のまちプロジェクト」。これは日本財団が推進する海と日本プロジェクトの一環として、日本中に残された民話を発掘し、アニメーションをベースとした親しみやすい表現で「海との関わり」や「地域の誇り」を子供たちへ伝え語り継ぐことを目的としたものです。プロジェクト発足5年目となる2022年も、日本各地から選ばれた海ノ民話が映像化されることが決定。そのうちのひとつに、愛媛県南宇和郡愛南町に伝わる民話「大猿島と小猿島」が選ばれました。

舞台は、豊後水道に面する愛南町の由良半島。ある日、サル達が岩場でキャッキャと遊びまわっていました。しかし、その中の一匹の子ザルが岩で滑りこけ、海に落ちてしまいました。それを見ていた親ザルはびっくりして子ザルを助けようとします。しかし、由良の潮は流れが早く、子ザルはあっという間に遠くへと流されていきました。親ザルは愛する子どもの姿を見失わないよう、木から木に飛び移って子ザルを追いましたが、流れが早く到底追いつきません。たまらなくなった親ザルは、子ザルを助けるため海の中に飛び込みました。それから親ザルも子ザルも、海面から姿をみせることはありませんでした。親子の絆に感銘した海の神は、親子ザルを島にして残しました。この2つの島は今も「小猿島」「大猿島」と呼ばれ、由良半島の先端で仲良く向かい合っています。
※諸説あり。

2022年6月、海ノ民話のまち実行委員会認定委員長でもある沼田心之介監督が愛媛県南宇和郡愛南町を訪れ、役場の皆さんをはじめとする方々とキックオフミーティングを開催。ひょうき貝やカツオといった、愛南町の特産品を物語の中に登場させて欲しいという意見が上がっていました。

その後、渡船に乗り、由良半島の先端にある「小猿島」「大猿島」のロケハンへ。この日は好天に恵まれ、監督たちは美しい海の青をその目に焼き付けていました。
8月には、「海ノ民話のまち」認定証贈呈式も実施され、認定委員長をはじめとする事務局メンバーが清水雅文町長を表敬訪問しました。
清水雅文町長は「数ある中から愛南町の民話を認定していただき、ありがとうございます。私自身は、出身地が町内の別のエリアですので、大猿島と小猿島の話は知りませんでした。後世に残す物語、地元の物語としてもよいと思います。愛南町はどこよりも魚が美味しいのが魅力だと思います。今後、この物語と美味しい魚で地元産業の活性化と成長をしていってもらえたらと思います」と語りました。

豊かな資源や癒しを与えてくれる海。ですが、遊び方を間違えると命を落としてしまう、恐ろしく危険な場所という一面も持ち合わせています。そんな教訓を子ザルや親ザルの運命を通して、先人たちが伝え続けてくれた民話「大猿島と小猿島」は、秋~冬の完成を予定しています。どのような映像作品になるのか、楽しみにしていてくださいね。

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