群馬県嬬恋村で「鎌原観音堂石段のものがたり」の学習会を実施

一般社団法人日本昔ばなし協会は2025年3月22日(土)、群馬県嬬恋村に伝わる民話を題材にした海ノ民話アニメーション「鎌原観音堂石段のものがたり」の学習会を群馬県嬬恋村の嬬恋郷土資料館で実施しました。
群馬県嬬恋村の海ノ民話アニメーション「鎌原観音堂石段のものがたり」はこんなお話▼
浅間山は大昔から噴火を繰り返している活火山です。天明三年、大噴火を起こした浅間山から、黒煙とともに大量の土石なだれが流れ下り、麓にある鎌原村を飲みこみました。多くの村人が土石なだれの犠牲となり、助かったのは高台にある鎌原観音堂に駆け上るなどした人々だけでした。大量の土砂は、沿岸の家や田畑を飲み込んだほか、河川の氾濫を引き起こし、浅間山から遠く離れた下流地域にも大きな被害をもたらしました。その後、近隣の村の有力者たちが復興に立ち上がり……
今回のフィールドワークには地域の方々34名が参加。アニメの舞台となった「鎌原観音堂」は、天明三年の浅間山の大噴火の際に、地元の人たちの命を救った場所であり、その災害から現在まで残っている場所でもあります。「鎌原観音堂」に移動する前に、まずは完成したアニメ『鎌原観音堂石段のものがたり』を参加者に見ていただきました。その後、嬬恋郷土資料館の館長である関俊明さんに、ジオラマを使って土石流がどう流れて行ったのかについてお話を聞きました。

次に、資料館から徒歩3分ほどの所にある「鎌原観音堂」へ移動しました。災害前には50段あった石段が、現在は15段が地上部分に残っていることや、1979年の発掘調査で埋没した石段から女性2名の遺体が発見されたことなどについて、関さんから説明を受けました。
子ども達も、鎌原観音堂の石段が災害当時はもっと長かったことを知ると驚いていました。

資料館に戻った後、今日学んだことを踏まえてもう一度アニメ『鎌原観音堂石段のものがたり』を上映。実際に鎌原観音堂を見て、地域の歴史について学んだからこそ、最初に見た時とアニメの見え方が変わったのではないかと思います。
大噴火で鎌原村が壊滅し、その後どうやって復興していったのか、今回完成したアニメと共に地域の歴史について地域の方々に知っていただく機会になればと思い企画した学習会でしたが、子どもから大人まで多くの方にご参加いただき、「鎌原観音堂には初めて来ましたが、詳しい説明が聞けて、よい勉強になりました。」などの声が聞かれました。
参加者の声
・むずかしい話だったけれど、浅間山について知ることができてよかった。
・何となく知ってはいた話ですが、改めて深く知ることができて良かったです。
・また来てみたいと思いました。とてもわかりやすく説明してくれて、楽しかったです。
・大変素晴らしいアニメでした。色々な村のPRに使えたら良いと思いました。